writer 石川理恵
おしゃれの舞台裏であるクローゼットを拝見しながら、服づきあいについてうかがう企画。
第1回は、インテリアスタイリストのみつまともこさんの家を訪ねました。
着ない服を手放すための、循環サイクルをつくる
「クローゼットにあるのは自分の好きな服ばかり。以前はたくさん持っていたけれど、ここ数年でだいぶ減らしました」
みつまさんが服の量を見直したのは、ご両親が高齢者施設に入居するにあたり実家を片づけたことがきっかけです。
「父と母が持っていた服の、半分以上がまったく着ていないものだったんです。一気に片づけるのは本当に大変だったので、私はまず『とっておく』をやめることに」
大好きだった高価なブランドの服も、数年着ていなければアプリでフリマに出品。すると、いいものは喜んで買ってもらえることがわかったそうです。
▲フリマに出すと決めた服は、布をかけてホコリがかからないように保管。「自分が着ている服より、取り扱いに気を使います」と笑うみつまさん。
「シルエットの旬って、ありますよね。長年、大切にしていたトレンチコートも今の私にはタイトに感じられて、手放したらすぐに買い手がつきました。若い人に着てもらったほうが似合うと思うし、着てくれる人に手渡したほうがいいと心から思っています」
一方、人に譲れないような服は、ウエスにして使い切ることにしたら、くたびれた服をいつまでも着ることがなくなりました。「うちは犬がいるので、足を拭いたりするのにもウエスがあると便利です」
▲ウエスはキッチンや洗面台に置いて使っています。撮影/菊地和歌子
取材・文/石川理恵
- プロフィール
みつまともこ
ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリスト
夫、中学生の娘、愛犬との3人+1匹暮らし。サザビー(現サザビーリーグ)で衣食住にまつわるブランドのウィンドーディスプレイ、ショップデコレーション、撮影のスタイリングなどを手がけた後、フリーランスに。著書に『小さなスペースではじめる 飾る暮らしの作り方』『暮らしの図鑑 ガラス』(ともに翔泳社)がある。https://www.mitsumatomoko.com